Duo YUMENO 夢乃
箏・三味線奏者の木村伶香能とチェリスト玉木光によるデュオ夢乃は、ニューヨークと日本を拠点に、邦楽とクラシックの伝統に根ざしつつ、新しい室内楽を開拓している。これまでに、一柳慧、ダロン・ハーゲンなど国際的に活躍する現代作曲家に数多くの作品を委嘱。ニューヨークの音楽シーンでの初演公演にも多く携わっている。古典から委嘱作品まで幅広く取り組む音楽性には定評があり、ニューヨークタイムズ、ニューヨーク・クラシカル・レビューなどからも度々高評を得ている。またジャパンタイムズ、Chamber Music Magazineなど、日米のメディアにおいて、その活動が紹介されている。2019年、デュオ夢乃10周年記念リサイタルを開催 (カーネギーホール・ワイルリサイタルホール)、ソールドアウト公演となる。
アメリカにおいては、2008年フォートウェインさくらフェスティバルにて初共演。互いの音楽性に共感し、翌年より本格的にデュオ活動を開始。2010年より、4年間かけて「花鳥風月組曲」をマーティン・リーガンに委嘱。全米室内楽協会(Chamber Music America) より、2014年度 クラシック作品助成プログラムのグランティに選出される。2015年、全米室内楽協会総会にて招待演奏を行う。2017年、全米さくらまつり主催:デュオ夢乃コンサート(ジョン・F・ケネディセンター)では満場の中、好評を博した。同年、バーロウ音楽基金コラボレーション・アンサンブルに選出される。2015年〜2022年には、アメリカを代表するオペラ作曲家、ダロン・ハーゲンに平家物語をテーマとした組曲「Heike Quinto」を委嘱、各地にて再演を重ねる。これまでに、国際連合本部、ジャパンソサエティ、在ワシントン日本大使公邸、在ニューヨーク大使公邸、ジョージナカシマ財団など全米で演奏活動を行う。 レジデンスアーティストとして、シカゴ大学、プリンストン大学、ハワイ大学、ニューイングランド音楽院、アメリカ現代音楽の第一人者、ルー・ハリソンが設立したハリソン・ハウスなどに招かれ、両楽器による作品や日本音楽についてのレクチャーなどを数多く行っている。
日本においては、2010年よりデュオリサイタルを継続。2015年、青山音楽記念館バロックザールでのリサイタルの成果により第24回青山音楽賞・バロックザール賞を受賞。各都市での公演に加え、龍安寺、唐招提寺、薬師寺など世界遺産においても演奏を重ねる。
国際交流基金、日本大使館などの派遣、大学機関の招聘により、国内外に演奏の場を拡げている。2013年、トルコ・テキルダー大学、在イスタンブール旧日本国総領事公邸にて演奏。2014年、「日本・カリブ交流年」記念事業のオープニングイベントとしてトリニダード ・トバゴにてリサイタル開催、カルモナ大統領官邸にて謁見演奏。2015年、イギリス・ケンブリッジ大学クレアホールにてリサイタル開催。2018年、「日本・コロンビア修好110周年」記念事業として、ロス・アンデス大学にてリサイタル開催。2023年、プエルトリコ名誉領事着任レセプションにて、デュオ夢乃コンサートを開催。
ファーストアルバム「花鳥風月組曲」をリリース。MSR Classics、Albany Records に録音を収録。2024 年、クラシックのメジャーレーベル、ナクソスより「平家組曲(Heike Quinto)」(ダロン・ハーゲン作曲)をリリース予定。
ニューヨーク在住。休日の愉しみは映画、オペラ、クッキング、木の下や海辺で語らうこと。
精緻で情感豊かな演奏 ニューヨーク・クラシカル・レビュー

木村伶香能
(山田流箏曲・三味線演奏家)
「古典から現代へ」をテーマとして、世界20か国以上にて演奏を重ねる。山田流の豊かな爪音と古典を軸足としつつ、「箏・三味線・箏歌」の新たな可能性を追求している。ニューヨークタイムズ紙から「傑出した演奏と歌声」と評される。ソリストとして「箏コンチェルト: 源氏」(十三絃箏)をユークリッド・カルテットと2013年に初演後、ウィンターグリーン・フェスティバル・オーケストラ、各地のカルテット、新日本フィル弦楽メンバー(日本初演)、弦楽アンサンブル INTERWOVEN(ニューヨーク初演)と共演を重ねる。2023年、箏・尺八と弦楽オーケストラの為の「四つの天上の音楽」、「コンチェルタント」をセルビアのノヴィ・サド芸術大学オーケストラとヨーロッパ初演。オペラ・舞台作品では、メトロポリタン美術館、アメリカ交響楽団、ニューヨーク・ライブ・アーツなどの主催公演に出演。国際イプセン賞受賞演出家のハイナー・ゲッベルスの作品では世界ツアーに出演。作曲家、他ジャンルのアーティストとの交流も深く、これまでにバジル・ツイスト(マッカーサー賞受賞パペティア)、アンディ・ミルン、スコット・ジョンソン、虚心庵アーツなど多数共演。教育分野では、2010年まで洗足学園音楽大学・現代邦楽研究所の講師を務める。ハーバード大学、ニューヨーク・フィルハーモニック主催公演等で演奏。2022 年、カーネギーホール・ 教育プログラムにて日本音楽 (箏)のコンサルタントを務める。山田流箏曲を⻲山香能、河東節三味線を山彦千子(人間国宝)、現代三味線を⻄潟昭子の各師に師事。東京藝術大学邦楽科卒業。現代邦楽研究所研究科修了。2004 年度文化庁新進芸術家国内研修員。第10回賢順記念全国箏曲コンクールにて賢順賞ほか受賞多数。古典シリーズ「ニューヨークの四季」主催。
URL:https://www.yokoreikanokimura.com

玉木光
(チェロ)
上村昇、ピーター・サイデンバーグの両師にチェロを師事。ジョージ・イーストマン奨学金を得て、イーストマン音楽大学、ライス大学にてポール・カッツ師に師事。ノースウェスタン大学院にてハンス・イェンセン師に学ぶ。インディアナ大学弦楽セミナー、メドマウント夏期講習にて堤剛、エレノア・ショーンフェルドの両氏に師事する。2000 年、ビバホール国際チェロコンクール入賞。アメリカ音楽協会コンクール中西部にて第1位、ミシガン州バッハフェスティバル・コンクールで最優秀賞を受賞。1999年より在籍したシカゴ・シビックオーケストラでは首席を務め、ダニエル・バレンボイム氏の指揮の下、カーネギーホールで演奏。2013 年までフォートウェイン・フィルハーモニー管弦楽団にて首席チェロ奏者、並びにフライマン弦楽四重奏団として在籍。ソリストとして同オーケストラと共に、ドヴォルザークのチェロ協奏曲、ヘブライ狂詩曲「ショロモ」、 交響詩「ドン・キホーテ」、ハイドンのチェロ協奏曲ニ長調など主要なチェロ・コンチェルトの演奏を重ねる。2007年、バッハ「無伴奏チェロ組曲」と黛敏郎「文楽」を収録したファーストソロアルバムをリリース。2013年よりニューヨークを拠点に活動。2016 年よりバークシャー・オペラフェスティバルの首席を務め、翌年よりアルバニー交響楽団に入団。レディング交響楽団、SONOS 室内管弦楽団など各地のオーケストラよりゲスト首席奏者として招待されている。ニューヨークの室内楽シーンにおいても活動を続け、カーネギーホール、シンフォニースペース、タウンホールなど各地にて演奏。邦人作曲家による優れた現代作品の演奏にも力を入れている。使用楽器は 1815 年製作のウィリアム・フォレスター Jr.
URL: http://www.hikarucello.com