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「日本と西洋の室内楽、そしてアメリカ的なリズムの推進力が融合し、思いの外粋な演奏であった。」 ニューヨークタイムズ紙 8/31/2013

「三浦寛也の 『閑吟集三首』 は初演者のデュオ夢乃により委嘱された。簡潔、繊細かつ集中力漲る演奏によって、一つ一つの身振りが驚きとドラマに満ちていた。この優美で精緻な作品を音楽的呼吸やアンサンブルの音程に完璧なまでに配慮しながら演奏することで、三浦の才気溢れる感覚を微分音的なフレーズから引き出した。楽器の乾いた音色と木村の伝統的な歌唱法によって、刺激的で幻想的な雰囲気を的確に醸し出した点において、作品と演奏に感銘を受けた。」 ニューヨーク・クラシカル・レビュー 9/5/2022

「緻密で深い情感を湛えたデュオの演奏により、12世紀の日本人女性の生涯が力強く美しく描き出された。西洋音楽の手法、特にポリフォニーや様式性と豊かな作風に強く惹かれた。明快で簡潔、かつ感傷に流されない物語が、器楽や言葉を伴わない声楽によって浮かび上がった点において、最も感銘を受けた。」 ニューヨーク・クラシカル・レビュー 9/1/2016

「コンサートはデュオ夢乃の佐藤容子の『Not a Single Cloud Exists』の初演により幕を開けた。非西洋楽器による演奏にも関わらず、リズムが快活で且つ、味い深いアコースティックロックであった。木村が演奏する(三味線)パートは明らかにリズムギターの影響を受けており、玉木はエレキギターで演奏しても遜色ないと思われるソロ声部を演奏した。全編を通して、互いの役割は交換し、絡み合いながら変化した。エネルギッシュな演奏の楽しみもさることがら、ソロ声部の作曲が素晴らしく、デュオは確信と落ち着きを持った真剣さで演奏した。」ニューヨーク・クラシカル・レビュー 1/2/2016

「『箏とチェロ』という意外性のある組み合わせに驚いたのも束の間、2つの楽器から紡ぎ出される音色を耳にした瞬間から心を奪われた。和と洋の楽器でありながらも、そこから生まれる響きには何の違和感もなく、見事な調和を見せたことに感動を覚えた。聴き手をここまで唸らせたDuo YUMENO 夢乃の素晴らしさは、その新鮮な楽器の組み合わせはもちろん、木村と玉木の演奏技術の高さやデュオとしての完成度にも見ることが出来る。アメリカの作曲家マーティン・リーガンによる委嘱曲《花鳥風月組曲》では、箏とチェロがまるで万華鏡のように音色を変え、二人が紡ぎ出す様々な音色や表情を聴くことが出来た。」 田隅靖子 2014度青山音楽賞総評

「箏とチェロによるデュオの豊かな音色に触れ、ドラマチックで極めて洗練された二人の演奏を体感できたことは望外の喜びであった。さらには、デュオのレパートリーは両楽器の表現上の強みを活かした現代作品を中心とする興味深いものであった。」 ボストン・アーツ・ダイアリー (bostonartsdiary.com/wordpress) 10/30/2013

「木村伶香能と玉木光は音楽・文化の「大使」として、自身の音楽を世界に広め、楽器のレパートリーを拡げることに惜しみない努力を払ってきた。デュオの活動は21世紀における音楽作りの新しい模範となるであろう。それは「イースト・ミーツ・ウェスト」という言い古されたクリシェの境界を曖昧なものとし、一つのグローバルな音楽の世界へと私たちを誘う。両者は非常に高い技術力と音楽的な深い表現を共に持ち合わせ、類い稀なバランス感覚をもって、音という媒体を通して二つの魂の詩的な対話を呼び覚ましている。」マーティン・リーガン(作曲家・テキサスA&M大学教授)